子どもの食事研究所にもたくさんのご相談をいただいています。
今回は、材料費の管理に役立つ情報をお伝えします。
実は、食料の価格は国が管理しています。
農林水産省は、食料の供給不足により、小売価格が値上げされ国民の生活に支障をきたすことがないように、食品の価格動向調査を実施し、
・食品の小売価格が上昇しているなど、異常な状況がないか
・便乗値上げが行われていないか
など、小売価格の動きを見張っています。
■食材の適正価格の把握
安全性・おいしさなどの品質を維持しながら、材料費を抑えることは、保育園経営において、とても大切なこと。その役割を担っているのは給食担当者です。
まずは、適正価格の把握に役立つサイトを2つご紹介します。
・農林水産省の食品価格動向調査結果(小売価格)
↓ ↓ ↓
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/index.html
野菜、牛乳などの加工食品、卵、肉について全国の小売平均価格がわかります。
・農畜産業振興機構 野菜情報総合把握システム「野菜の卸売価格動向」
↓ ↓ ↓
http://vegetan.alic.go.jp/vegetable_price.html
こちらは、全国の主要な卸売市場の価格をグラフで表示しています。
各市場における過去5年間の旬別平均価格が一緒に表示されているため、具体的に今の価格がいくらで、過去と比較してどれぐらい高いかを把握できます。
現在の保育園で購入している価格と比較することで、適正な価格で購入できているかを見ることができます。
■給食計画のための「価格の見通し」
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通しについて、主産地から聞き取り、その結果を毎月公表しています。
・農林水産省の「野菜の生育・価格の見通し」
2月分の公表データです
↓ ↓ ↓
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/engei/180131.html
データは
・翌月前半
・翌月後半
に分かれていて、これを見れば翌月の価格を前もって知ることができます。
保育園でよく使用する野菜について
・現在の生育状況
・今後の生育、出荷
・価格の見通し
がわかります。
例えは、2月の“だいこん”については、下記のことがわかります。
【現在の生育状況】
10月中下旬の長雨や台風に伴う塩害、11中旬以降の低温により生育が低下したため、平年よりも小ぶりになっている。
【今後の生育及び出荷の見通し】
神奈川県及び千葉県において、生育及び出荷数量が回復傾向であり、かつ、10月中下旬の長雨傾向に播種されたものの割合が次第に増加していく。
【価格の見通し】
・2月前半は1月の水準からは徐々に回復
・2月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み
だいこん、にんじん、はくさい、キャベツ、ほうれんそう、ねぎ、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、じゃがいも、さといも、たまねぎの情報が公開されています。
ちなみに、農林水産省の「価格の見通し」では、2月は「にんじん」が高いそうです。10月の長雨、日照不足により生育が低下して、平年より小ぶりとなったためとのことです。
また、1月前半は高かった「ほうれん草」は徐々に価格が下がり、2月は平年並みに戻るそうです。
■給食費の管理の方法
公表されているデータを活用して、事前に情報収集してコストを意識した献立をたてることはとても大切です。
給食の材料費は、
・価格が一定
・価格が変動
上記の2つに分類すると管理できます。
保育園ではバランスよく子どもたちに食事を提供するために、健康的な食糧構成で食事を提供しています。
したがって、子どもがひと月で食べる「米・牛乳・肉・大豆製品」の量はおおよそ決まっているので、それにかかる費用も一定です。
魚についても、冷凍魚を使っている園であれば、ほぼ一定ですね。
変動があるのは「野菜・果物」です。今回ご紹介したように天候不順などにより、大きく変動するため、給食費の変動につながります。
よくご相談頂く中に、
「施設の経理担当者から給食費を抑えるようにと言われていますが、どのようにしたらよいでしょうか?」という質問があります。
給食担当者が、最初にやるべきことは、、、
今回ご紹介したように、
・価格が一定のものについて、適正価格を知ること
・価格が変動するものについて、見通し価格を知ること
米や牛乳など、価格が一定のものについて品質と価格をチェックします。
少量を配送してもらっている保育園では、なかなか「良い物を安く!」とは言えない状況ですが、業者さんも一緒に努力してもらえるように働きかけましょう。
野菜などの変動が大きい食材については、「見通し価格」を知り、高騰しているものについては、量を減らして、他の野菜を増やす等して栄養を補給します。
野菜については、例年の平均価格を把握していることがとても重要。例年の価格を知っているからこそ、高騰した野菜の代わりとなる食材を適正に選択することができます。
例えば、だいこんが高いからといって、同じ用途で使える「かぶ」に置き換えて使っても給食費を下げることはできません。何故なら、「かぶ」は「だいこん」と比較すると、もともとの単価(円/kg)が高いからです。
そして、もうひとつ大切なことは、調理の努力で給食費をコントロールすること。
おやつ等について市販品を使っている場合は、「手作り」を増やせば材料費を削減することができます。これも人員の問題から難しい面がありますが努力が必要ですね。
子どもの食事研究所では、米粉や大豆粉を使ったおやつを提案していますが、手作りしているので、価格は1人分で20円程度。手作りすれば、安全で栄養価の高いおやつを提供できます。
■さいごに
同じ材料費で、
・いろいろな食材を使用して食体験を広げる
・必要なエネルギーと栄養素量を提供する
給食担当者に求められるところですね。
見通しをもって、対策を立てることができるように、今回ご紹介した農林水産層のデータ等を活用していただけるとよいと思います。