不安だらけの献立作成

先回のブログからの続きのような内容になりますが、またまた献立作成についてです。

昔からのユーザーと献立について、いろいろ話していたら自分自身がとっても不安になってしまって・・。

「子どもたちが食べないんですけど」と言われると、とっても責任を感じます。

職員が記入する検食簿を見ると、「組み合わせ、味、彩り、温度⇒悪い」となっていても、残菜が全くないことがあります。
反対に「良い」の項目が多くても、残菜が多いことがあります。

下記のように、子どもに給食をしっかり食べてもらうために必要な要素はたくさんあります。保育園として、何を問題として、その問題に対して具体的にどこを改善すべきかは調理室だけで考えることはできないように思います。

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【基本】
・年齢に応じた嗜好性と栄養ニーズを満たす献立
・食材の購入費、加工するための時間、労力を含めた、総合的コストが検討された献立

【使用食品について】
・季節感を生かした食品の選択
・偏りのない食品の選択。(子どもの好きな肉料理などに偏らないように・・)
・ビタミン、ミネラルを補う野菜の充分な提供
・料理の彩りを考えた食品の選択

【料理の選択と組み合わせ】
・御飯と汁を基本として、主菜、副菜を揃える。
・適切な盛り付け、配膳ができる。(皿数など)
・使用する調味料に偏りがなく、味のバランスがよい。

【調理】
・咀嚼を考慮した、食品の切り方
・咀嚼、嚥下を考慮した料理の水分量
・素材の味を生かした味つけ(薄味)
・食べる意欲を引き出す見た目、盛り付け

【喫食支援】
・年齢に合わせた食事提供時間に、適温で配膳する
・子どもに合わせた量で提供する
・楽しく食べることができる環境づくり
・子どもへの言葉がけで食べる意欲を引き出す
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保育園ではよく「野菜の量」が問題になります。

調理員 → 「切る量が多過ぎる。時間が足りないので量を減らしてほしい」
保育士 → 「家庭で食べ慣れていない子が増えて、食べさせるのが大変。量を減らしてほしい。」

野菜を食べることは、小さな頃から喫食体験を積み重ね、適量を知ることが生涯健康に過ごすために重要であることは世界的に知られていることであり、「提供量を減らす」という選択肢はありません。献立ごとに何処に問題があるかを明確にして、改善していくことが必要になります。

ある学会で、現社会で一番良い食事をしているのは保育園児さんではないか。と大学の先生が言っていました。家庭と保育園の食事内容の違いは、年々広がっています。それに伴い、献立作成も難しくなり、給食担当者が不安に思うことが多くなっているように思います。

食事作り、喫食支援の難しさも職員全員で共有しながら、現場ごとに、知識と技術の継承に努め、協力していくことが大切なのだと思います。