保育所では、定期的に保健所などの給食指導監査を受けます。
監査では、毎日の給食が適正に実施されているかを「記録」を基に判断するので、書類が重要です。
監査の項目は、全国的に大きな差はありませんが、地域ごとに、自治体(保健所・市役所監査部)が「栄養指導票」「給食評価マニュアル」等を配布しています。
全ての監査の基となっているガイドラインは、、、
・食事摂取基準値
・食品成分表
・児童福祉施設における食事の提供ガイド
・保育所における食事の提供ガイド
・大量調理マニュアル
食事の提供ガイド、大量調理マニュアルには評価項目が記載されています。
評価の項目は、実際の「あるべき姿」なので、この項目を目標として給食管理を行えばOKですね。
今回は、給食管理で必要な書類についてまとめてみます。(わんぱくランチから出力できるものは、レポートブックのページ数をお示しします。)
■給食管理の全体像
給食管理は、
・食育
・栄養管理
・衛生管理
に大きく分類できます。
それぞれに計画→実施→評価のサイクルがあり記録しながら進めます。
■食育
食育については、園の食育計画が大事ですね。
給食献立も園の食育方針に従って作成するものなので給食管理の出発点になるものです。
食育計画は、年で作成し実施し毎年見直します。
給食の内容は、家庭との情報共有、家庭向け食育の推進を目的として、月の献立表を家庭に配布します。
<書類>
・配布用献立表
(レポートブックP4~7.9.11.12.14~17)
■栄養管理
栄養管理の計画は、3ステップで考えます。
【ステップ1】
保育園では、
・発育・発達状況(身長・体重など)
・栄養状態(家庭の食事)
・生活状況(保育時間)
を把握した上で年齢、性別を基に食事摂取基準値(厚労省)から保育園の給与栄養目標量を算出します。
【ステップ2】
バランスのよい食事を提供するために、ステップ1で作成した給与栄養目標量を満たすことができる食品構成を考えます。
(地域によっては食品群別成分表等、呼び名がまちまちです。)
【ステップ3】
栄養目標量、食品構成を考慮しながら日々の予定献立を作成します。
予定献立表とは、日付、献立名、材料名、分量、総使用量が記載された献立表です。
実施では、予定献立表を基に適正に食材を購入し調理、配膳して提供します。
評価は、下記の情報を基に、提供した献立、栄養量の分析と評価を行います。
・子どもの食べ具合
・残食
・検食記録簿のコメント
・提供栄養量(日・月平均)
・食品群別給与量(日・月平均)
<書類>
・園児の成長曲線 (P97)
・給与栄養目標量算出表 (P98)
・食品群別加重平均栄養価 (P101)
・予定献立表 (P18~22.24.26~35.38~40)
・材料の発注書 (P87)
・給食日誌・検食簿 (P25.36.37)
・栄養出納帳 (P41)
・栄養報告書 (P50~77)
■衛生管理
大量調理マニュアル(厚生労働省)を確認します。
実施時は、
・保健所から提示されたチェック項目
・大量調理マニュアルのチェック項目
に従ってチェックします。
そして、定期的に適正に衛生管理が実施できているかを分析、評価します。
<書類>
・施設設備の衛生チェック
・調理従事者の衛生チェック
・検収記録簿 (P88.89)
・調理、配膳時の温度管理表
■まとめ
栄養報告書とは県や市で健康増進法で規定された様式であり、月1回、又は年に1回、県や市に提出する書類です。(*報告義務がない地域もあります。)
提出書類は、この報告書のみで、その他の帳票は各園で管理しておくものです。
給食で監査される項目は「給食のあるべき姿」なので、給食監査は、園の給食が、子どもにとって必要な栄養を、適切な食事で、安全に、おいしく提供できているかを確認できる機会でもありますね。
私ごとですが、、、
栄養士になりたての頃は、
監査官に何も言われたくない!と思う気持ちが強く
監査前に夜中までかかって厨房の掃除をしてみたり・・・
書類を整理してみたり・・・
少し慣れてきた時には、
自分で言うより監査官に言ってもらった方が調理員さんたちに効き目があるのでは!
と考えて、監査官が来るのを黙っていたり・・・
どれも、これも間違いでした。
監査の方は衛生管理、栄養管理のプロフェッショナル!
調理員さんも含めてみんなで教えてもらえるよい機会!
このように思えるようになってからは、監査の日がとても有意義なものになりました。
秋(10月-11月)に栄養報告書を提出する必要がある地域が多くあります。
また、秋に監査を行う地域もあります。
わんぱくランチを使っているユーザーは、計画(献立作成)がしっかりできていれば、必要な書類は連動して出力することができるのでご安心ください。
また、操作に困った時、栄養について不安に思うことはサポートセンターにお問合せくださいね。
監査も、わんぱくランチもうまく利用して、子どもたちに安全でおいしい給食を提供して頂きたいという気持ちでサポートさせていただきます。