食事摂取基準2015・エネルギーについて

食事摂取基準2015年度版では、エネルギーについての考え方が大きく変わります。

エネルギーは、成人の場合は、摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標としてBMIを採用しています。乳幼児では、成長曲線を参照し、成長の程度を確認し、判断するのが最適とされています。

給食では、今後エネルギーについて、給与目標量を充足する!というような考え方はなくなり、全園児が、成長曲線に並行して成長しているのかを確認し、全員が望ましい成長であれば、それが保育園の適正な給与量であり、目標量ということになります。

昨日、参加した研修会で、東京大学の佐々木先生が栄養士の疑問に答えてくれました。

◆質問
今後は推定エネルギー必要量は使わないの?全く要らなくなるの?

◆ 回答
初動時は、今まで通り推定エネルギー必要量を採用すべき
・体重、身長計測ができていない時期
・また成長の推移がわからない時期
その後はアセスメントしながら、エネルギー目標量を園で決める。
・アセスメント項目➡身体計測、個々の食べ方・残食など

推定エネルギー必要量は、年齢・性別で1日あたりの必要エネルギー量を示したものです。
1~2才(男)950Kcal
1~2才(女)900Kcal
3~5才(男)1300Kcal

適切なエネルギー量を供給できる給食計画をたてるためは、アセスメント(身体計測、個々の食べ方・残食)が重要です。実際は、多くのこどもが成長曲線に平行して成長していくので、まずは外れてしまう子に個別対応していくことになります。また、成長に問題がなくても、食べ方が悪い場合は、将来の健康リスクを減らすために対応する必要があります。

今までの役割は
・調理担当者が目標量を決めて、給食を作る。
・保育士は、個々の食べることができる量に合わせて配膳。

今後は、両者連携して、こどもが健康に育つための給食を作っていくことになります。

まずは、保育士さんに尋ねてみてください。
・・クラス内で、一番たくさん食べる子と一番少ない子の量の差・・

個人間に差があることを知ることで、今回の改定の意図がわかります。