子どもの「食べず嫌い」

幼児期のこどもは、新しい食べ物に対して食べず嫌いの症状を表しがちです。

昔の研究ですが、このことについておもしろい結果がでているものがあるのでお伝えします。

「食べ物にさらすことの繰り返しが子どもたちの食べ物の受容に及ぼす影響」

結果は、全ての年齢において、嗜好はその食べ物にさらすことにより増大。つまり、食べる機会が多い程、嗜好を獲得できる!ということ。

あたりまえの話ですが、興味深いのはその回数です。

最低でも8~10回食べる経験が必要であり、通常は12~15回食べた後でのみ明らかな嗜好獲得の増大がみられたそうです。この研究では、その食べ物を見るだけ、食べたときの両方を検証しましたが、結果は味わうことで嗜好の獲得が増大した!ということです。

この回数をどう思いますか?私は、この数字に納得です。

以前、私が仕事をしていた自治体でのお話です。

給食会議で「あずきご飯」が話題になりました。

公立保育園の調理員・・・・・「あずきご飯は給食で初めての料理!こどもが食べたことがないらしく残菜が多くて困る。」とのこと。

民間保育園の調理員・・・「うちの園では昔から独自のレシピとして使っている。子どもたちは喜んで食べる!」とのこと。

民間の先生の意見からその後も献立に入れることになりました。
1年後、調理員さんにあずきご飯の残菜について尋ねると「残菜?ないない。そんなことあったかしら?」と・・・。

子どもが嗜好を獲得するためには「その食べ物にさらされること」が必要なのです。子どもにとっては「新しい料理を一口でも食べる!味わう!」ことにとても価値があるということです。

保育士さんにも「嗜好を獲得するまでに必要な回数」を教えてあげましょう。今まで以上に食べさせること、子どもの嗜好の獲得に興味が持て、よい支援ができるかもしれません。