栄養士は、明確なねらいを持った献立を作成し、そのねらいを他職種の職員(園長、保育士、職員)に伝える必要があります。
私たち栄養士は、食事摂取基準に基づいた栄養を安全に予算内で提供すること以外に、多くのねらいを持って献立作成を行っています。
栄養
・家庭で取りにくい栄養の補給
・栄養の吸収率を考えた食材の選択、組み合わせ
・栄養価の高い旬の食材を提供
機能
・子どもの消化、吸収を考慮した食材の選択と調理
・子どもの咀嚼、嚥下機能を育てる食材の選択と調理
・子どもの発達を考慮した食器、はし、スプーンの選択と調理
食習慣
・旬の食材を使い、食体験を増やす
・料理の種類を増やし、多くの味を体験させる
・見た目、色を考慮
→子どもの食べる意欲を育てる
→楽しい食体験を重ねる
私は、給食会議で、できる限り日にちごとに献立のねらいをお話しするようにしています。
ある日、保育園さんから1本の電話がかかってきました。
「今日の干し芋入りのみそ汁にはどんな意味があったのでしょうか?」
職員の間で
・食物繊維補給のためか?
・噛むことを教えるため?
・この地域の郷土料理なのか?
と話題になり、問い合わせた。と言うことでした。
答えは、単純なコンピュータの入力ミス。「さつまいも(生)」と「さつまいも(蒸し切干)」を間違えて入力してしまったのです。しかし、普段から、「献立のねらい」を聞かされている職員さんは、この献立にも意図がある!と思ったのです。保育士さんたちは、子どもたちに一生懸命食べさせてくれたようで、どの園も残食はなかったそうです。
データ入力ミスで申し訳けなかったのですが、この時に「献立のねらいを伝える」ことの重要性を再認識しました。献立につていの情報が共有されていれば、食事支援が変わる!ということがはっきりわかりました。
新米栄養士さんは、献立に「一口メモ」をつけてみましょう。まずは、自分だけのメモでもOK!保育士さん、保護者の方に聞かれた時に答えることができるだけでも、大きな成果。献立作成スキルが確実にアップし、給食の質の向上につながります。