ファミレスに包丁がない?

ちょっと驚く話です。

ファミリーレストラン「サイゼリヤ」の厨房には包丁がない!そうです。

包丁がないというと、工場で作られた加工品を店で温めて出しているだけ・・。と思いがちですが、サイゼリヤでは新鮮な野菜が豊富に取り扱われています。

それを支えているのは、福島県にある自社農場と近隣契約農家とのネットワーク、野菜を専門に扱う自社工場、自社流通システムです。

近年は、外食産業、大手スーパーによる農業参入が相次いでいますが、サイゼリヤの社長が福島県を訪れたのは、まだサイゼリヤが18店舗しかなかった時。そんな時に「1000店舗に増やして、見た目重視の野菜作りの矛盾を解消しよう!」と言い切った社長はすごいですね。

そこからはじまり、今ではサイゼリヤ専用の種を使った計画・安定生産を行っています。苗工場では、店舗での必要量を日ごとに割り出し、それにあわせて毎日計画的に種を植えて、元気な苗を育てているそうです。これによって、お店に必要なときに、必要な量の新鮮な野菜が届くのです。

コンビニで購入するサラダより安くておいしい理由はここにあるのですね。

現在、福島県の白河市では、280ヘクタールの自社農園と332戸の契約農園でサイゼリヤの野菜が作られています。この地域の農業は活気づき、今までの収穫の喜びに加えて、収入増(収入安定)の喜びもあるようです。農家は今までのノウハウを生かし、レタスの葉を増やす、色鮮やかにするなどの品種改良を積極的に行っているそうです。

たとえ工場でカットされた野菜であっても、新鮮な野菜が手軽に食べれることの価値は高いですね。

セブンとイオンも本格的に農業に参入し始めました。日本の農業は大きく変わり始めています。

今後はカットサラダだけでなく、採りたての味と栄養を保持した新鮮野菜がたくさん開発されることになりそうです。家庭では「安全でおいしい野菜が食べたい!だけどめんどうな下処理はしたくない!」というニーズがあります。

近い将来、日本人の包丁の使い方が変わることになるかもしれませんね。