がん予防の情報は、マスコミを通じて数多く流されています。50代以上の方は「がん」についてよく話題にします。
がんに効く〇〇。といった類の情報。研究の規模や、方法、期間などによって情報の価値は大きく異なることを知らないと、情報に振り回わされてしまいます。
昨日行った喫茶店で、隣の女性2人組が、かつサンドとケーキを食べながら、「今話題のサプリメント。がん予防に良いらしいから買ってみたの。1ヶ月に6万円もかかるのよ!」と話していたのが、とても気になりました。
もっとも信頼できる情報は、世界がん研究基金による報告書。
世界中の9大学が研究論文の収集や再検討に協力し、食物・栄養・運動とがん予防に関する約7000件の研究論文を分析したものの報告書です。報告書では、「確実」「おそらく確実」と判定された要因に基づき、食物・栄養・運動によるがん予防について、10項目を推奨しています。
1 肥満
→体脂肪:体重不足にならない範囲でできるだけ体重を少なめに維持する
2 運動
→毎日30分以上の運動をする
3 体重増加につかがる食物
→ファーストフード、ソフトドリンクなど
4 植物性食品
→野菜と果物1日400g以上
5 動物性食品
肉類を控えめにして肉加工品を避ける。(肉類週500g未満)
6 アルコール
→量を減らす。男性は1日2杯まで、女性は1杯まで・・。
7 食品の保存、加工、調理法
→ 食塩の摂取を減らす、カビの生えた穀類や豆類は避ける
8 サプリメント
→がん予防の目的でサプリメントを使わない。必要栄養素は食事のみから摂取する。
9 授乳
→生後6ヶ月までは母乳のみで育てる。(母親の乳がん予防と小児の肥満予防)
10がん体験者は上記の推奨にならう
知っている事ばかり・・。と思われがちですが、がん予防のためにこれを実行できている人(成人)は少ないと思います。
私たち食の専門家の役割は、正しい情報を選択した上で
・正しい情報を伝える。
・健康に望ましい食事を直接提供する。
とても大きな責任を感じます。
乳幼児期の食習慣が、学童期、成人まで影響することはわかっています。改めて保育園給食の内容を考えさせられます。