12月1日(土)に名古屋のウイル愛知でアドムのわんぱくランチ操作説明会と給食セミナーを行いました。
名古屋の市政資料館をバックに、机をロの字型に変えてケーキを食べながら、のんびりとした雰囲気で行いました。
国の重要文化財である「旧名古屋控訴院庁舎」
子どもの栄養の献立作成者である安藤先生(愛知文教女子短期大学)にも出席していただき、行動科学を専門とするアドムの社長(加藤久和)が、「子どもの健康行動に結びつく食育」について講演しました。
テーマは、食育の心理学「子どもの健康行動を育てよう」
セミナーの中で、子どもの健康行動を増やしていくための「目標の選択」について話がありました。目標の選択を間違えると、労力とコストをかけても、成果を出すことができません。現在保育園で行われている食育の多くは、結果評価ができる目標が設定されておらず、成果がでていない状況です。
食育の目標は、
1、実施後、評価ができる目標を選ぶ
2、目標の重要度と達成の難易度から優先順位を決める
重要度大+難易度低い ・・・・最優先
重要度大+難易度高い ・・・・優先度小
重要度小+難易度低い ・・・・状況の応じて選択
重要度小+難易度高い ・・・・除外
地域の保育士会が行うセミナーの事例研究では、度々「園庭での野菜作り」についての発表があります。
健康に結びつく行動として明らかにわかっていることは、
・朝食を食べる
・野菜果物の摂取量が多い
・脂肪の摂取量が少ない
・間食の回数が少ない
・睡眠をしっかりとる
・運動習慣がある
・食品に関心を持ち、食品表示の内容を理解している
保育園で野菜作りを行うことは、現状で明らかになっている上記の内容と比較すると、子どもの健康行動を増やすために「重要である」とはいえません。また、食育活動として新しくはじめようとすると、場所・時間・人等の問題で、難易度はかなり高くなります。「野菜作り」という活動が「野菜を食べる習慣」に結びつくかどうかもわかっていません。
園で野菜つくりを行う環境があることは、すばらしいことですが、それを目標にして、子どもの健康行動を増やすことに結びつけることが難しいということです。
参加者の方には、勤めている保育園の現状を思い返しながら「目標の選択について」考えていただけたと思います。
保育園では、食育の目標を選択し実施する場合、
・園長先生や保育士、調理担当者(同僚)の食に関する関心が低い
・偏った価値観を持つ職員がいる
・職種によって目標に差がある
など、多くの問題があります。
これらの問題を解決するために、給食担当者ができることは、「献立の調整」です。これは、重要度が高く、スキルがあれば低い難易度のものです。
子どもの健全な発育を願う気持ちは、どの職員さんも一緒。食べることに関心を持ってもらえる「献立内容」、みんなのやりたいことを大切にした「献立作成能力」、それを「伝える技術」が求められている!と感じました。