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佐橋ゆかりのユーザー探訪記ようこそ、食育のワンダーランドへ。

Vol.1 富士みのり保育園

富士みのり保育園
特集

ユーザー訪問「富士みのり保育園」

これまでアドムでは全国3500ヶ所以上の保育園に、給食ソフト「わんぱくランチ」を提供してきました。その中には、すばらしい給食を提供されている保育園がいらっしゃいます。そこで私たちが知り得た考え方や情報などを、おつきあいのある保育園の方々にお伝えしたらどうだろうか。きっといい影響を与え、これからの給食活動に役立つかもしれない。そんな想いからニュースレターを発行することになりました。記念すべき第一号でご紹介するのは、東京都羽村市にある「富士みのり保育園」です。ここは「食育のワンダーランド」と呼びたくなるような魅力でいっぱい。では、さっそくアドムの佐橋がレポートしましょう。

富士みのり保育園のみなさんと

施設のいたるところに、食育の工夫がふんだん。

閑静な住宅街に、オレンジの壁面がひときわ映える「富士みのり保育園」。
ここは、わんぱくランチの導入をきっかけにご縁ができた保育園です。「食育」に力を入れているこの保育園では、給食活動がとても魅力的。ぜひともニュースレターでご紹介したくて、今回の取材となりました。また有意義な訪問になるということで、愛知文教女子短期大学の安藤京子先生にもご同行いただきました。
富士みのり保育園の魅力をお伝えするうえで、真っ先にご紹介したいのが充実した施設です。まず手はじめが、園舎の中心に設けられた調理室。ここは園児たちの目にふれやすい玄関正面にも位置しています。それだけでも驚きなのですが、ここに設けられたガラス窓からは、栄養士さんや調理師さんの調理する姿が見えるのです。当たり前のように、給食を作る人の姿を見られる。そうすることで、「食」への興味が一層高まるという心にくい工夫です。
つぎにご紹介したいのが、エントランス右手にあるランチルーム。ここは4、5歳児用の食事スペースですが(現在は4歳児と職員)、まさにレストランみたいなオシャレな空間です。このランチルームからも、カウンター越しに厨房が見えます。こうした調理室の様子が見えることで、炒めている音、ケーキの焼ける匂いなどが直に伝わる…。まさに食への関心を高める狙いがあります。厨房では、かわいいユニフォームを着た栄養士さんたちが調理をしています。しかも表情が見えるよう、透明マスクも装着。こうした魅せる工夫にも関心するばかりです。
ちなみに布製マスクから透明マスクに変えたことで、顔全体が見えるのでスタッフさんの体調がわかるようになったとか。さらに言葉によるやり取りが増え、アレルギー事故の予防にもつながっているようです。

玄関正面に調理室
調理室は、なんと玄関正面に!
ガラス張りの調理室。
調理の様子がわかる、ガラス張りの調理室。
ランチルームの窓。
ランチルームの窓。その眺めは、まるで絵画のよう!
ランチルームからも調理室が見える
ランチルームからも調理室が見えます。
かわいいユニフォーム
かわいいユニフォームを着た栄養士さん。
透明マスク
表情がわかる透明マスク。

毎日のことだから、給食方針をしっかりと。

こうした給食への取り組みが確かな「富士みのり保育園」。そうなると、どんな給食方針なのかが気になるところです。そこで使用している食材のことを聞いてみました。富士みのり保育園では、できるだけ添加物の少ない、新鮮な食材を使用するのが基本。削り節、昆布、干し椎茸から和風だしを作り、ハム、ベーコン、ウインナーなどは無添加のものを使用しているそうです。ドレッシングは、すべて手作り。しかも素材に合わせてバリエーションを変えているそうです。
つぎに驚いたのが、旬の食材を豊富に取り入れた献立。その数、なんと20品目! 味覚形成の土台になる時期に、さまざまな味を知っていただきたい。そんな堀川園長の想いから、この品数になったとか。ここまで手間をかけるのは、本気の表れではないでしょうか。このほか食器には温もりを感じる磁器の採用、適温給食の提供、一人ひとりに合わせた離乳食と、こだわりは相当なものです。もちろん、食物アレルギーのある子どもにも対応。医師の診断書・指示書をもとに、除去食・代替食を提供。「見た目は他児と変わらなく」を心掛け、個別に作られているそうです。

資料を見る二人
動物のパネル

食育活動を通じて育む、「健康なからだ・豊かな心」。

さらに富士みのり保育園で注目したいのが、さまざまな「食育活動」です。
その一つ目にご紹介するのが、ランチルームの献立説明。これは4、5歳を対象に、その日の献立名を知らせることで、食への関心を高める目的で行われています。 また食材にも興味を持ってほしくて企画されたのが、園児たちによる調理のお手伝いです。これは日々の調理の中でお手伝いしてもらえそうな食材を挙げ、ムリのない範囲で実施。たとえばセロリの葉をちぎる、しめじを裂く、そら豆をさやから出す等、旬の食材に触れることで、食材や調理への関心を高めます。きっと子どもたちの貴重な体験になるのではないでしょうか。
こうした食育活動は、園児たけでなく保護者へも広げられています。それがレシピの配布です。2007年から配布を開始。当初は4品だったのが、いまでは450種類以上にも増えたそうです。毎月1つ、おいしいご飯の炊き方など料理の基本やコツなども紹介。保護者の方から、このレシピをきっかけに「作ってみます」と言われるようになり、子どもたちからは「おいしかったから家でも作ってほしい!」といったお願いしている姿を見かけるようになったとか。少しでも働く保護者の方々に役立てればとの想いで続けているようです。
富士みのり保育園では、心を込めて作った給食の数々をファイルに保存されているとのこと。当初は行事食だけの記録でしたが、給食は園としての貴重な財産でもあるということで毎日の献立も残すことにしたそうです。平成16年から記録をはじめて、いまではたくさんのファイルが完成。見返すのに役立てられているだけでなく、見学者の方への説明も活用されています。富士みのり保育園では、平成24年度「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞しています。この賞は、給食の管理運営において栄養改善に貢献した優良な特定給食施設に対し、表彰が行われるものです。

献立説明
マグネットは説明時にはこの位の数ですが、最終的にはもっと多くなるそうです。
各年齢の献立を展示
日替わりで各年齢の献立を展示。
気軽に持ち帰れるレシピ
気軽に持ち帰れるレシピ。
感謝状
「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞

保育園ができること。園長としての想い。

ここまで徹底した「食育」をつらぬく富士みのり保育園。そこで堀川園長に、給食に対する想いをお聞きしました。
「食べるという行動は人間が生きていくうえで、欠かすことのできないものです。」と語る堀川園長。生涯を通じて、何千回・何万回と食事をする中で、保育園での食事はほんのわずかな一部分。でも、味覚形成の土台となる貴重な時期に、たくさんの味・たくさんの食材に触れてほしい、との想いがあふれています。
加えて、ご家庭では忙しくて手がかけられない。それを前提に保育園としてできることをしたいとお考えのようです。献立を作るにあたり大切にしているのは、旬の食材や添加物の少ないものを使うこと。さらに豊富な食品を、手作りにて提供していくこと。そして、忘れてはならないのが、見た目にもおいしそうな「彩り」と安全な食事をお届けすること。こうした考えに、給食への真摯な姿勢がうかがうことができます。
ここで忘れてはならないのが、栄養士さんの存在です。今回の取材で同席していただいたのが、栄養士さんの一人である天沼さん。富士みのり保育園で食育に関わることについて尋ねたところ「とてもやりがいのある職場ですね。」と笑顔での答えが返ってきました。自分が良かれと思うことが、どんどんできる環境にあると言います。
安藤先生によれば、「栄養士さんや調理師さんは厨房から出なくてもいい。」という幅が狭い保育園もあるそうです。そことは対照的に、富士みのり保育園では積極的なコミュニケーションできる環境。さらに保育士さんとの連携もあり、まさに「食育」を進めるうえで理想的な保育園だと言えそうです。

園長 堀川芳江さん
園長 堀川芳江さん
栄養士 天沼珠江さん
栄養士 天沼珠江さん

平成25年8月。わんぱくランチとの出会い。

こうした給食活動をされている富士みのり保育園とのご縁は、堀川園長からのお問い合わせから始まりました。これまで使用していたソフトが不便で仕方がない。帳簿類記入の2度手間など、栄養士さんの負担を少しでも減らしたい。そんな堀川園長のご要望にお応えするため私が出向き、わんぱくランチの使い勝手の良さを細かくご説明。ソフトの可能性を感じていただき、導入することになりました。
実際に現場で活用されている栄養士さんからは、「佐橋さんの説明が、とても親切で丁寧」とのうれしいお言葉をいただきました。「以前のソフトでは、帳票類を2度入力しなければなりませんでした。忙しい業務の中で、それがすごく手間でした。わんぱくランチなら、献立表への入力は一回だけ。それだけで他の帳票類に展開できるので、とても助かっていますよ。」とのお声も。全国の保育園が3500件も導入しているという信頼性。すべての帳票に対応するだけでなく、画面の見やすさ、操作のしやすさも決め手につながったようです。
ちなみにわんぱくランチの導入は、平成25年の8月。しかし、旧ソフトからの移行に時間がとられ、本格的に活用されたのが翌年( 平成26年) の4月からだそうです。保育園の日々の業務は、とにかく忙しいのが現状。そんな中で旧ソフトとわんぱくランチ、2台のソフトを動かすのが大変だったとか。しかし、わんぱくランチの使い勝手はとてもいいので、あとはソフト操作に慣れること。成長評価、アレルギー管理などに、どんどん活用していきたいとのお考えのようです。

栄養士さんに使い方のアドバイスをする佐橋
栄養士さんに使い方のアドバイスをする佐橋

想いの詰まったランチ。試食させていただきました。

実は今回の取材時に、試食する機会に恵まれました。献立の内容は、以下の通りです。
●じゃこ御飯 ●味噌汁 ●れんこんのつくね ●切り干大根 ●みかん
じゃこ御飯なら、じゃこ、しょうゆ、みりん、砂糖…。味噌汁なら、かぶ、はくさい、もやし、ちんげんさい…。れんこんつくねなら、れんこん、すりおろしれんこん、ねぎ…。切り干し大根なら、切り干し大根、干しシイタケ、人参、きぬさや…。(すべて書ききれなくてごめんなさい。)
1回の給食に「20品目」もの食材が、盛り込まれているんです。しかも驚いたのが、見た目の「彩り」にも気を使っていること! 今回の献立だと、ふつうなら全体が茶色になってしまいがち。それをトマトの赤、きぬさやのグリーンなどの差し色をいれることで、「彩り豊か」に見せる。富士みのり保育園では、驚かされることばかりです。こうした見た目にもおいしい給食が食べられるなんて、ほんとうに園児たちは幸せでしょう。

想いの詰まったランチ
試食させていただきました

最後に。

「食育」へのこだわりが徹底されている富士みのり保育園。まさに「食」を大事にする保育園の理想形の一つといえるでしょう。そんな素晴らしい保育園に、私たちの「わんぱくランチ」が役立つことが私たちの喜びです。富士みのり保育園では、まだソフトの活用はごく一部だけでした。
しかし、これからソフトのスペックをどんどん活用すれば、よりよい給食の提供につながるはず。アドムとしてもサポートしたいと考えています。堀川園長や天沼さん、スタッフの皆さん、有意義な時間をいただき、誠にありがとうございました。

堀川園長と天沼さん
TOPICS

見せて、魅せる。
施設は、こだわりがいっぱい。

富士みのり保育園の魅力は、食育だけにとどまりません。何よりも、子どもたちが幸せに過ごせる環境づくりが大事。そんな考えのもと、この保育園には「こだわり」が至るところに見られます。ここでは、そのほんの一部をご紹介します。

チルドレンコロネード
チルドレンコロネード
廊下より1mも広く、園全体にゆとりの空間をもたらしてくれます。
のびやかな空間設計
のびやかな空間設計
保育室を壁で区切らずガラスや可動間仕切りにすることで見える保育を実現
机
4歳児は二人机、5歳児は一人机を使用しています。
幼児用トイレ
幼児用トイレ
個室は安全性とデザイン性に優れた扉のないスタイルです。
遊び心
遊び心
光が差し込むとブラインドの影が、なんと檻のように見える! こんな遊び心も。
オブジェ
オブジェ
子どもには本物を見せたい。そんな堀川園長の想いから、いたるところに絵画や美術品が置かれている。
キッズデザイン賞
園舎の透過性・安全性が認められ、第4回キッズデザイン賞「フューチャープロダクツ部門」を受賞。子どもたちが安心して遊びに集中できる施設、明るい自然光を取り入れた園舎、安全安心を遵守できる透過性の高い空間づくりが評価されました。

おすすめレシピ

富士みのり保育園 おすすめメニュー

ハリネズミのスイートポテト

ハリネズミのスイートポテト

材料(6個分)

  • さつま芋(皮なし)180g
  • 砂糖大さじ3
  • 溶き卵大さじ2
  • 有塩バター18g
  • ビスケット(丸)6枚
  • スライスアーモンド15g
  • 黒ごま適宜
  • レーズン6粒
  • 1/2個
  • グラニュー糖 大さじ2
  • 小さじ2
  • 有塩バター10g
  • 塗る用卵黄(全卵でもOK)1個分

さあチャレンジしてみませんか?

作り方

  • さつま芋は適当な大きさに切り、やわらかくなるまで茹で、マッシュする。
  • さつま芋が熱いうちに、砂糖・塩・有塩バターを入れて混ぜ、粗熱がとれたら溶き卵を加えてさらに混ぜる。
  • 梨は1/2 個分の皮をむき、6等分にする。さらにそれを3等分にしておく。
  • カラメルソースを作る要領で、鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかけ、きつね色になったところに梨とバターを入れて煮詰めていく。
  • ビスケットに(4)の梨、上からかぶせるように(2)のさつま芋をのせ、卵黄を塗る。鼻をレーズン、目を黒ごま、背中にアーモンドを刺し、180度のオーブンで15分焼く。