アドム式スチコンの使い方
「子どもの食事研究所」で使用しているスチコン
スチコンの正式名称は、スチームコンベクションオーブンといいますが、長いのでスチコンと呼ばれています。スチコンは、スチーム(水蒸気)とコンベクションオーブン(熱風)の量を設定して、「焼く」「煮る」「炊く」「炒める」「揚げる」「茹でる」「蒸す」「温める」などができる、多機能加熱調理機器です。使用しているタイプは電気式で、他にガス仕様もあります。
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株式会社コメットカトウ 電気スチームコンベクションオーブンCSI3-E5 |
ホシザキ株式会社 スチームコンベクションオーブン クックエブリオ MIC-5TB3[電気仕様 |
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スチームモードとコンビモードだけ。温度も固定しました
アドムではスチコンが使いこなせない理由の一つに、モードと温度・水蒸気量の設定の難しさがあると考えました。そこで保育所給食で調理する可能性がある料理の調理法を検討し、以下のモードの使用に限ることにしました。
スチームモード100℃ 蒸し物は、この温度のみを使います。野菜を茹でるなどの下処理加熱から、蒸し物の本調理までできます。 |
コンビモード140℃+水蒸気量100% かたい食材の煮物をじっくり煮る調理などに使います。140℃であれば表面の焼き色もほとんどつかず、じっくり長時間加熱する(弱火でコトコト煮る)場合に向いています。水分はほとんど蒸発しません。 |
コンビモード170℃+水蒸気量100% 炒める場合や高温で火を通すとかたくなってしまう食材に対して使用します。表面はほんのり焼き色がつく程度。中火から中強火あたりの煮物にも使用でき、長時間で水分は多少蒸発します。 |
コンビモード230℃+水蒸気量100% 肉や魚、豆腐など、短時間でこんがりと焼き上げる温度帯です。蓋や濡らしたクッキングペーパーで覆えば野菜の水分を活かした煮物にも使用できます。長時間になれば水分はかなり蒸発します。 |
・ホットエアーモードについては、従来のオーブンと同様に考えて、使用して良いでしょう。
コンビモードの水蒸気量を100%に限った理由
スチコンは、調理に応じて、水蒸気の放出量を細かく使い分けることができますが、実際には、なかなか難しいもの。料理の水分は子どもたちの食べやすさにつながります。加熱することでかたくなったりパサつきやすくなってしまう肉や魚などを食べやすい状態で提供したいと考えると、水蒸気を調理に活かして加熱することが大切だと考え、水蒸気量を100%に限定することにしました。
温度が低いモードから加熱。同じモードごとに同時加熱もできます
1台のスチコンを使うには、温度帯の低いモードから高いモードへ使うのが基本です(工程によっては温度帯の高いモードからスタートする場合もあります)。加熱時間も、複数ある材料の下処理や、同じモードであれば、設定時間を長いものに合わせてまとめて加熱し、終了したものから取り出していきます。本書ではこれらの方法をタイムテーブルにまとめ、効率のよい作業ができるようにしています。
加熱の3つのコツ
- 温度が低いモードから始めること
- モードごとにまとめて時間設定。加熱の終わったものから取り出していくこと
- モードごとに他の料理の材料も同時に加熱可
作業効率のよいタイムテーブルの考え方
ご自身で献立を組み合わせる場合、あらかじめタイムテーブルを作成するとよいでしょう。作成方法をご紹介します。
料理A…主菜(例:焼き魚と添え野菜)
- 添え野菜を「スチームモード100℃ 」で6分加熱
- 焼き魚を「コンビモード230℃ 」で8分加熱
料理B…副菜(例:野菜の煮物)
- 野菜の下処理を「スチームモード100℃ 」で4分と10分加熱
- 煮物調理を「コンビモード140℃ 」で20分加熱
あると便利なおすすめ道具
調理温度、時間について
- 食材の切り方や食材の個体差、時季、また、ホテルパンに入れる分量などによって加熱温度や時間は異なります。必要に応じて中心温度を確認してください。
- スチームコンベクションオーブンの基本的な取り扱いについては、お使いの機種の取扱説明書に従ってください。