薄味にチャレンジ
塩は昔からたいへん重要な物質でした。「敵に塩を送る。」ということばがあります。
戦国時代の武将上杉謙信は、敵の武田方が塩の輸送路を絶たれて窮地に立ったときに
「そんな卑怯な勝ち方はいやだ」ということで塩を送りました。
この逸話がもとになって、ライバルに有利になることを
することを「敵に塩を送る」というようになったといわれています。 19世紀に入るまでは、塩は、食べ物を保存する方法としてたいへん貴重な物質でした。 魚や野菜を保存するときに塩漬けにして保存します。 特に、新潟や東北地方では冬季には深い雪に覆われてしまうので、 食べ物の保存は塩に頼らざるを得ませんでした。 現在では冷蔵庫や缶詰、真空パックなどができ、食品の保存方法は飛躍的に変化し、 塩は保存のためには重要ではなくなりましたがましたが、 長い時間をかけて築かれた食べかたや味覚は日本に定着しています。 今では塩はどんな内陸の土地でも簡単に手に入ります。 塩がとれなくて体の変調をきたすようなことはなくなりました。 反対に、現代では、塩分のとりすぎが問題になっています。 ●塩分をとりすぎるとなぜ悪い? 塩分は、私たちの食事にはなくてはならないものですが、反面、塩分は、 とりすぎるとからだのいろんなところに影響が でてくる物質です。日本人の伝統的な食事では、 どうしてもとりすぎになってしまう傾向があります。 血圧と塩分には重要な関係があります。塩分をとりすぎると血圧があがります。 高血圧になると、血管を傷つけ老化の原因になります。また、血液に含まれる塩分を一定に保つために、 腎臓の負担が高まります。最悪の場合には、腎臓の機能が低下し、透析をする必要がでてきます。 ナトリウムって何? いつまでもみずみずしいボディを保つためには、塩分をひかえることは大切ですね。 ●薄味にチャレンジ 塩分を控えるためには、食べ物を食べるときに薄味に慣れることです。薄味になれるために、 塩やしょうゆを少しずつ控えるようにしていきます。不思議なもので、薄味に慣れると、 食べ物が本来持っている味に敏感になっていきます。 ラーメン屋では食べる前に湖沼をかけていませんか? サンドイッチを食べる前に塩をふりかけていませんか? ゆかり御飯やふりかけごはんにしないとごはんが食べられないということはありませんか? お寿司を食べるときにはしょうゆはたっぷりつけていませんか? また、たばこを吸うと、一般に味覚が低下します。その結果、濃い味を求めるようになります。 お酒を飲む人はどうしても辛いものを食べることになりますから塩分をとりすぎてしまいがちです。 こういった食習慣がある人は要注意。そのままでは、将来、肥満と高血圧になる危険性があります。 塩分を控えるためのこつもあります。例えば、砂糖を控えると塩分を随分少なくすることができます。 料理の組み合わせによって薄味でも「味のある」食事をつくることができます。 加工食品には一般的に亜鉛が少ないため、 加工食品ばかりを食べていると塩分の味覚を感じにくくなることが 起こり得ます。亜鉛は肉や鶏、魚介類に豊富に含まれるため普通は十分に接種できるミネラルです。 塩分を控えることによって「味気ない」生活になるとしたら、確かにそれは考え物です。 でも、薄味にチャレンジして、食べ物に敏感になり、 なんとなく体がみずみずしくなったような気分を味わえたら楽しいのではないかと思います。 実際には、薄味にすることによって、脂肪の摂取もついでに下がるでしょうし、血圧もさがるでしょう。 血管のダメージも減り、体の中でいろんな変化が始まります。 あなたが実感する以上に、あなたは若々しくなれるのですから。 |
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