よい食べ物や悪い食べ物はない
お母さんたちからよく「こどもの体にいい食べ物を教えてください」 「毎朝これを食べるんですが、いいですか」といった質問をいただきます。 テレビでも「○○はドロドロ血をさらさらにする」「○○を食べて健康な体作り」 「100歳の○さんは毎日これを食べていた!」といった刺激的なタイトルがよく流れます。 でも、ここでほんとうのことを教えましょう。 食べ物に「よい食べ物」や「悪い食べ物」があるわけではありません。 健康な体づくりという作業は、いろいろな形をしたパズル片でパズルを少しずつ埋めていくようなものです。 個々のパズル片は食品です。食品にはいろんな形があり、それぞれ役割が違っています。 同じ形をしたパズル片で健康な体づくりは成し遂げられません。 ある食品はより脂肪が多く含まれているかもしれません。 塩や糖分をより含んだもの、ビタミンや食物繊維を含んだものもあるでしょう。 筋肉をつくるときには、肉、魚、豆類など、たんぱく質を多く含んだ食品が必要になります。 体を動かさずに筋肉をつくることはできません。 体を動かすには熱やエネルギーになる穀類やイモ類が必要になります。 現代の女の子には体脂肪が嫌われていますが、体脂肪がなければ、衝撃がそのまま内臓に伝わったり、 ちょっとの温度の変化で体力を奪われたりします。風邪もひきやすくなるでしょう。 もし、おなかに赤ちゃんがいれば、衝撃であかちゃんの脳にダメージを受けやすくなります。 疲れをとるには野菜や果物に含まれるビタミンが必要です。 また、頭を使って問題を解決するためには糖分も必要です。 あるお皿に食品がのっているとします。 その食品が、他のどんな食品と組み合わされるかによって 栄養学的に見ていい食事か悪い食事かが決まります。 またこれを食べる人が普段、どんな生活をしているのかによっても変わってきます。 基準を超す食品添加物や、古くなった食べ物は別として、 世の中に「よい食べ物」「悪い食べ物」があるわけではありません。 日常の生活の送り方と、食べ物の選択のしかたが問題なのです。 |
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