8月の行事食 すいとん

「戦争」園児の親はもちろんのこと、保育士でさえ戦争を知らない世代になりました。 戦争の悲惨さ、戦後の貧しさやひもじさは、はるかかなた昔の話で、 この豊かな時代には全く無関係の出来事であったかのように、 忘れ去られようとしています。

お年寄りが入所している福祉施設では8月15日の終戦記念日には行事食として「すいとん」をだします。 涙がとまらず食べることができない人、昔話に花が咲き食べることができない人、 何も言わずにもくもくと食べる人、 みなさんそれぞれの思いを胸にすいとんを味わいます。 そして毎年、最後にこんな話をします。

「いい時代になったなー。 毎日こんなにおいしものを食べることができるようになって・・」 「感謝していただかなくてはね。」と…。

私は食に関わる人として毎年この言葉にとても重みを感じてきました。

園児たちも、このすいとんをきっかけに、おじいちゃん、 おばちゃんから昔話(戦争の悲惨さ、こわさ、たくさん 我慢しなければならなかったこと)がきけたら、 それは時代をつなぐ社会教育、食教育になりますね。

こどもたちに戦争や平和のことはわからないでしょうが、 平和の尊さや、命、生き物、食べ物を大切にする心を もってもらいたいと願うお年寄りの思いを感じとってほしいと思います。 お父さん、お母さんも戦争体験談をきくことで、 飽食の時代だからこそ抱えている、わたしたちの食に関する問題に 目を向けることができるかと思います。

8月6日から15日の10日間を人権・平和強調旬間と定めいろいろな取り組みがされていますが、 この時期だけではなく思いやりの心、 物を大切にする心についていつも考えて食を通して伝えていきたいものです。


8月の行事食 すいとん


材料 作り方
8月の行事食 すいとん
材料・一人分量

小麦粉 20g
白玉粉 20g
牛乳 20g
ねぎ 10g
里芋 30g
にんじん 5g
ごぼう 5g
生しいたけ 5g
鶏もも肉 15g
だし(かつおぶし) 2g
しょうゆ 4g
塩 0.5g
みりん 少々
1)小麦粉と白玉粉と牛乳を混ぜ合わせて、耳たぶくらいの固さにする。
2)里芋は大きさにより、輪切りまたは半月切りにする。
3)にんじんはいちょう切り、ごぼうはささがき、
  しいたけは千切り、鶏肉は一口大に切る。
4)かつお節でとっただし汁で2)と3)を煮る。
5)調味料をいれ、次に1)を鍋に落とし入れて団子をくつり、
  そのままさらに煮る。
6)仕上げに小口切りにしたねぎをいれて仕上げる。


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