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栄養に関する誤解はダイハード状態


アメリカ栄養士協会(ADA)はアメリカ最大の栄養に関する専門家組織である。会員は70000人。ADAでは2年ごとに調査を行い、アメリカ国民の健康と栄養に関する知識や態度について調査を行っている。2002年の調査報告がADAのホームページに掲載されているので紹介しよう。以下は、その記事の抜粋である。


「アメリカ人の大多数が栄養と運動は大切であると述べてはいるが、実際には大きな誤解をしている」
こんな調査結果がアメリカ合衆国栄養士協会の調査でわかった。

85%のアメリカ人が食事と栄養摂取は個人的には重要と考えている。
75%がバランスのよいバランスのとれた栄養摂取と健康的な食事に注意して食物を選んでいるという。
82%が身体運動が重要であると述べている。(これは2000年の調査と実質的に同じ。)
66%が身体運動をするように努力していると述べている。
58%が積極的に栄養と健康的な食事についての情報を探している。

クリス・ローゼンブルーム(アトランタ州RD。ADAスポークスマン)は次のように述べている。

「人々は食事と栄養に関する情報にはハングリーであり、彼らは明らかに栄養と身体運動は健康的なライフスタイルに密接に関連していることを理解している。 その一方で、いくつかの栄養学的な神話が”ダイハード”状態になっている。調査結果によると、体重が健康的な栄養摂取の指標であると考えている人が63%mにもなる。
実際には同じ体の構成要素になっている人はこの世に一人もいない。健康は食事による栄耀摂取だけではなく様々な要素の組み合わせで決まる。体重はその中の一要素にすぎないのに関わらず・・・。」

調査結果により、多くの人が食べ物と栄養に関しなかなか誤解をとけないでいることがわかった。

57%が耳にした情報によって、自分は決して食べるべきではない食べ物があると信じている。
54%がビタミンのサプリメントを摂取することが健康を維持する上で必要であるという意見に賛成している。
33%がハーブ系サプリメントは自然食品であるから安全であるという意見に賛成している。

加えて、63%の消費者が、これはどんどん増え続けているが、「自分はいつも何を摂取すべきかということに関する情報よりも、何を食べるべきではないかという情報を聞きたがっている傾向があると感じる」という質問に同意している。2000年の調査では37%が「何を食べちゃだめかだけを教えてくれ」といっていた。

栄養に関する正しい情報と誤解を分類することはどんどん難しくなっている。健康をたかめようと努力しようとしている人になかなか正しい情報がとどかない。

栄養学のプロフェッショナルやアメリカ栄養士協会が食品と栄養に関する情報ソースとして最も信頼できる機関であるということを知っていただくべきであるし それに応え支援していくために、ADAにもっと関心をもっていただかなければならない。

アメリカ栄養士協会ホームページ http://www.eatright.org

アメリカ合衆国国民はBMIでいって40以上の人の人口数が世界最大の国家である。だからといってはなんだが、健康と体重に関して関心が高いのも当たり前のような気がする。 同じような調査を日本でやったらどうだろう。おそらく、「何を食べるべきではないか」についての情報に関する関心は低いと思われる。

その一方、サプリメントに関する関心は今後、日本でも急激に伸びていくことが予想される。
現在、サプリメントの市場はどんどん増加している。その一方で、朝は食べず、昼と夜は外食という人口ががどんどん増えている現状を考えると、
「サプリメントを摂取することが健康を維持する上で必要である」
と考える人たちは今後、急激に変化して行くにことが予想される。

日本で、栄養と健康に関してアメリカと比較した調査があるかどうかは知らないが、栄養に関する誤解については日本でも多いだろうと思われる。 特に、日本人は「自然」とか「天然」といった言葉に弱い。また、テレビ番組の影響はまともに受けてしまう。 サプリメントに関する議論は、日本でも本格的に行い、正しい使い方についての情報提供が望まれるところである。

ADAは健康と栄養に関し、国民に正しい情報を提供するための機関として最も信頼性のあるリソースであることは間違いない。 日本においても管理栄養士及び栄養士が中心となって健康と栄養に関する情報提供を続けていく必要があることはいうまでもない。


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