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クックパー(旭化成)で省力化に挑戦 2000/10/03

 給食では数多くの調理用消耗品が使われている。従来、個別食対応したケーキなどを作る場合、 作業効率を考えてアルミカップを使うことが多かった。 だが、アルミカップはゴミ処理の問題などで、解決しなければならない課題が残されている。 調理用消耗品の材質や品質は、料理の作業能率に大きな影響があることはもちろん、 ごみ処理の問題や、環境ホルモン等の安全性についても気にかかるところだ。


● 差し迫る省力化の課題

保育園では、年々アレルギー食等の個別対応へのニーズが増えてきている。 少子化の波とともに調理スタッフの人数を増やすことが困難である一方で、アレルギーのあるこどもが増えている。

限られたスタッフ数でこれまでと同等以上の料理を維持し、しかもその数を増やしていくとすれば、 業務の省力化に結びつく作業方法を採用するしか手がない。

調理用消耗品は、集団給食の省力化を解決するために意外に穴場的な存在だ。調理器具は高価である上、 既存スペースに新しい器具を入れることは不可能な場合が多い。 その点調理用の消耗品にはいろいろな製品があるため、問題を解決することができる場合がある。

 そこで今回は旭化成からオーブン、電子レンジ、蒸料理に使用できる業務用紙カップ「クックパー紙カップ」を紹介してみよう。 クックパーは旭化成が開発した両面をシリコン加工したクッキングペーパーだ。 通常のクッキングペーパーの形状をした製品の他、従来のアルミカップと同等の調理が可能な紙カップ製品も開発されている。

● クックパーとは


クックパーはクッキングペーパーを連想させる製品名のとおり紙製品に分類される。

旭化成はクックパーの製品的な特徴として以下の点をあげている。

(1)両面シリコン加工であるから作業性が良い
・ 裏表を気にせずに使用できるので、忙しい厨房内でも失敗しない。
・ 料理がくっつかずサラリとはがせる。
(2)油や水を通さない。
・ 鉄板や器具を汚さず、後片づけが大幅に省略化できる。
(3) 蒸気を適度に通す
・ 蒸し料理に適している。蒸し布不必要。
・ 仕上がりがふっくら。
(4) 耐熱温度250℃
・ オーブン料理、蒸し料理をはじめ、いろいろな料理に幅広く使える。
(5) 省資源で可燃物
製品の詳しい情報については、以下のサイトを参考にしていただきたい。
http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/products/cookp_h/cookp_h.htm


● 料理の仕上がりは満足できるレベル

実際に使用してみると用途は広いが使用の有無による出来上がりに差はないことがわかった。 クックパーは電子レンジ、オーブン、ホットプレート、蒸し器と用途が広い。使用する時、しない時の料理の仕上がりは 味、見た目共に特に変わらない。

焼き物などにも使用することができる。鉄板や器具が汚れないため後片づけが大幅に省略化できる。 オーブン料理を行った場合、通常であれば油のついた鉄板を洗わなければならないが、 クックパーを使用するとクックパーを処分するだけで良い。蒸し料理の場合についても蒸し布等を洗う手間を省くことができる。

● 作業性もアルミカップよりも改善

クックパーの特徴が最大限に生かされる場面が個食料理をつくるときだ。クックパー紙パックは サイズの種類が多く、おやつ、副食に用途が広がる。

アルミ箔の場合、食材を直に入れると焼きあがりで焦げ付いてしまう。それに対してクックパーは 料理がきれいにとれるので、従来のようにカップや鉄板に油をひく必要がない。結果として脂肪摂取量が減るので 献立の幅を広げることができる。

味の点でも子どもたちにも好評だった。値段もアルミカップより安いので、コストをあまり気にすることなく個別料理に利用することができる。

● 可燃処理ができる

使用した場合は可燃処理できる。保育園では保育室で配膳する場合が多く、個食料理の回数が多いので、 従来からアルミカップをよく使用している。アルミカップはいわずとしれた不燃物。 また、アルミ製品は製造プロセスで大きな電力消費を必要とするため、もともと環境保護には不利な特性をもつ。 紙に代えることができるならばその方が地球環境的にはより有利かもしれない。

● よりいっそうの情報提供を

発売からあまり時間が経過していないせいか、ほとんどの保育園では業務用クックパーの存在を知らない。 せっかく機能的には申し分なく、アルミよりもゴミ問題を発生させにくく、 他の合成樹脂製調理器具よりも安全性を確保できる製品であるのにもかかわらず、 福祉施設の現場では製品情報を知ること自体が困難な状況にある。

今後、アレルギーの問題はより深刻になっていくであろうことが予想される。 個別対応への課題は生き残りのための福祉施設の最大の課題となっていくだろう。 クックパーのように、新しい可能性を秘めた製品があれば、 私たちは、今後、インターネットという可能性に満ちた媒体で積極的にユーザに情報提供していきたいと考えている。


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