やや古い話になるが、厚生省から「児童福祉施設における給食業務の指導について」が平成12年の初頭に通知された。
内容には生活習慣病をいかにこどものころから防いでいくかに力点をおくものになった。
福祉施設は、施設経営上、給食管理のセンスが問われることになる。 ■ 過剰摂取から遠ざかることが盛り込まれる 厚生省は、これまで戦後の混乱期に制定された通知をもとに、児童福祉施設の給食管理を指導してきた。 これまでの給食管理についての指導は、さすがに、今の日本人の栄養に関する実態に合わなくなってきていた。 そこで、「第6次改訂日本人の栄養所要量」が公表されたのをきっかけに、 平成12年1月19日には「児童福祉施設における給食業務の始動について」という通知を行った。 今回の通知では、過剰摂取による健康障害をいかに防ぐかという観点がもりこまれたのもになっている。 昭和31年の日本は、栄養を満たすことが最大の目的であったわけだから、 飽食の現代ではこれを見直すのは当然であり、むしろ、このように時間が経過してしまったことの方が不思議な話ではある。 今回の通知では、過剰摂取による健康障害をいかに防ぐかという観点がもりこまれたのもになっている。以下は通知の抜粋である。
これを見ると、栄養士、調理士に献立を任せきりにするのではなく、 施設長を含む、現場の職員によって給食会議が行われることに力点を置いていることがわかる。 栄養所要量は、年齢、性別、生活活動強度によって個人個人で異なる。 質の高い給食計画を立案するためには、施設全体のチームワークが必要だ。 ■ 家庭との連携も視野に 今、財界や政界で合い言葉のようになっているアカウンタビリティー(説明責任)、 ディスクロージャー(情報開示)は、保育園や児童福祉施設の「給食管理」にも大きな影響を与えている。 今回の通知では、正しい食習慣形成に向けて、 入所児童、保護者等に対しても、給食献立の提示や各種媒体の活用 等によって、栄養指導の実施に努めることが盛り込まれた。 栄養指導は奥の深い分野だ。いくら飽食の時代であっても、「食べること」は「生きること」であり、 家庭に栄養指導を行おうとすれば、幅広い情報の収集活動とプレゼンテーション力が必要になってくる。 そうした情報提供をスマートにこなす保育園や児童福祉施設が生き残っていくであろうことをさいごに申し添えておく。 |
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