今回は、食教育を行っている海外WEBの紹介をする。インターネットによる食教育の効果は、今後
大きくなっていくものと考えているが、具体的にどうやって展開することができるのかが問題だ。
インターネット先進国アメリカ合衆国は、「最悪の」食習慣の国からインターネットを用いて、
ヘルシー国家へと脱出しつつある。 ■The 5 A Day運動 ザ・ファイブ・ア・デイ運動という運動が、アメリカ合衆国で盛況になっている。 これは、国立ガン研究所の支援を受けているベターヘルス財団というNPO団体が運営 している運動で、文字どおり、一日5サービング以上の野菜もしくは果物を摂取しようという運動だ。 このサイトには、こどもの食教育プログラムや5ADAYが開発した、食教育教材、野菜 を使用した料理のレシピ、活動の写真、活動を紹介したマスコミの記事などが豊富に記 述されていて、たいへんに読みごたえがある。 http://www.5aday.com/ 現在、ザ・ファイブ・ア・デイ運動には、35,000店以上の地域食料品店と、 野菜の生産者が参加、「5ADAYのロゴを野菜や果物に添付したり、店舗にポスターを 貼ったりして健康に対する関心を高めていこうという運動を展開している。1,800以上の 団体がこの運動に加盟している。 ■食の科学の普及にも配慮 野菜や果物がガンのリスクを低減することはよく知られている。ベターヘルス財団は、最近、 数百の論文を精査して、野菜や果物をたくさん摂取することが、ガン、心臓疾患、脳出血、肥満、糖 尿病などの予防に効果があり、周産期の障害などにも影響があるとしている。国立ガン研究所 がこのサイトに積極的に応援を行っていることも大きい。一日5サービング以上の果物野菜を 摂取している人は、1〜2サービングの人に比べてガンになるリスクは1/2であるというような 研究リポートも紹介されている。 1991年の運動開始時には、ザ・ファイブ・ア・デイ運動を知っている消費者は8%であったが、 1997年には39%に増加している。意識の問題だけではなく、実際に、運動の効果があがり、 スーパーマーケットで果物と野菜の販売量が増加、1991年3.9サービングの消費量であったも のが、1994年では4.4サービングになっているなどの効果が実際に上がってきている。 アメリカ合衆国政府は、ザ・ファイブ・ア・デイ運動を定着させるため、毎年6月1日から 30日を「国民の果物と野菜月間」としたり、9月10日から16日を「国民の5ADAY週間」と 定めたりして、啓発運動を支援している。このように、アメリカ合衆国の健康に対する意識 改革は急速に進展してきており、数年後は「アメリカ合衆国の食習慣はひどいもんだ」と いってはいられないかもしれない。 |
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