このWEBに掲載されている内容を読んでとても驚きました。 アメリカで、脂肪からの熱量が30%を越していること、ビタミン、ミネラルの不 足を補うためにドラッグに頼っていることは、大きく取り上げられ誰もが知っていることです。 しかし、ここまで食環境が悪く、食に関する知識が低く、食行動が心身にとって悪 い状態にあるとは思いませんでした。日本の子供たちも、この後を追っているという 現状を受けとめなければならないことに、憤りさえ感じました。 子供への食教育はとても実践的な行動が大切です。食べるという行動そのものが重 要なのです。またその食べるという行動と食環境は、情緒の発育に大きな役割を果たしていま す。今、その心身の発育の糧となる食事に大きな問題が生じてきています。保育園で、子供、 保育士に望まれる献立は、子供の楽しみや嗜好を考慮しても、栄養士として子供の成長を考えれば、 妥協できるものではありません。 また、食環境についてもさまざまな問題は挙げられていますが、実際誰が、どのよ うにその問題を解決していけるような指導を行えるか、道筋がありません。直接子供と接する両親、 保育士自身がまず食事に対する理解を深め、望ましい食事感を持つことは大前提ですが、これを問題提 議し、指導していくことがすでに難しいのが現状です。 こんなことをしているうちにアメリカのようになってしまうのかもしれないという危機感があります。 しかし、アメリカと大きく違う点があります。日本には、日本独特の食文化があります。 御飯に味噌汁野菜の煮物、魚、海草を食べる習慣です。これが端的に現れているところは、離乳食だと思います。 日本では離乳期には子供の消化吸収機能はまだまだ未発達であるとし、子供の臓器に負担がかからないように、 おもゆと野菜つぶしから順にゆっくり進めていきます。 離乳食開始(5〜6ヶ月)から完了までは、1年以上かかります。しかし、これは特別な食事ではなく、 大人の食材をそのまま利用できます。 今の親は離乳という子供にとっての第一ハードルを上手に一緒に越えよう必死に なっています。だいたい一家に数冊の離乳食の本があることと思います。形態は違いますが、こ の離乳食の内容、食品の組み合わせが本当に理想的な食事内容なのです。 子供が大きくなると子供の食事に関心を持ちにくくなる親もこの時期は離乳に努力し、また子供 も発達に合わせて食に関心を持ち、新しい味に出会い、喜び成長する時期。日本 で、出版されている離乳食に関する本は、驚くほど栄養学的に深い内容になっていま す。この点から見てもここにも指導、支援の機会があると思います。 このWEBで掲載されていたレシピの内容からみても、日本の食文化のよい点を再認識すること がでました。日本食の良さを伝えるとともに、日本食の最大の欠点 塩分については 特に乳幼児を対象とするため、子供も味覚に関する情報を提供しなくてはいけないと 感じました。(S) |
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