「わんぱくランチ」献立立案・栄養計算・監査資料・発注業務これ一本にすべて1パック!

海外人気WEB紹介シリーズ1 2000/05

今回は、海外の栄養関連人気WEBのひとつである、幼児用の栄養指導サイトをご紹介する。
http://www.ssas.com/ttummies/  このサイトは、食行動のあり方に関して総合的な情報を発信しているサイトだ。 特に、幼児の食行動の形成についてのエディターの考え方が強く押し出されていて、一般向けの情報 としても興味深い。

■アメリカ合衆国における、1990年代のこどもの食習慣

合衆国農務省(USDA)は、「1994-1996年に、アメリカで何を食べたか」という3年間の調査を行いました。 児童の食習慣に関する興味深い統計があります。

・約2/3の学齢期のこども(6歳から19歳)が食料と飲料を家以外で摂取しています(1994)。これは、 1977-78の調査では55%であったものから上昇しています。これは、6歳から19歳のこどもの うち1/3が全カロリーの40%以上を外で採っていることを意味します。

・ 1977-78年代では、3歳から5歳のこどものうち外で家以外で食事を採っている子は1/3であった のが、1994-1996年代では、ほとんど1/2となっています。

・幼児では、誰か他の家で食事をとったり、デイケアセンターで食事をとったりしています。学齢期のこ どもたちにとっては学生食堂がもっとも頻繁に利用される場をとなっています。10代に達するころは、 ファーストフードレストランが男子の外食の供給源になっています。女子は学生食堂が1位で、近接し てファーストフードレストランが2位となっています。

・非柑橘系ジュース(りんご、グレープ、ミックス)が飲まれている量は、1994年は1977-78年代の2〜3倍 の量に達しています。学齢期前の児童については、1977-78年代の4倍以上が飲まれています。

・ソフトドリンク類は激変しました。1994年では、10代の少年の3/4が1日平均34オンスのソーダ類 を飲みます(約3缶)。3分の2の10代の女子が1日平均23オンス(約2缶)飲みます。

・ミルク類は減少しています。ミルクを飲む子供は低脂肪のスキムミルクを以前よりも飲むようになってい ます。
・少なくとも1日1品目の野菜を食べているという報告をしたこどもはわずか3/4しかいません。もっと もポピュラーな野菜は、ポテト、トマト製品(言い換えればポテトのフレンチフライとケチャップ)です。もっ とも栄養価の高い野菜は、葉の野菜と、黄色野菜はオレンジであることを知っているこどもはほとんどい ません。

・1994年では、脂肪からの熱量は32から34%です。1977-1978年では、37から40%であったところから 減少しました。(30%が目標値です。)

・ほとんどのこどもは、RDA(Recommended Dietary Allowances)に栄養学的に達しています。しかし、 10代の女子はRDAが推奨するカルシウム量、マグネシウム量、亜鉛量、ビタミンEの85%しか摂取して いません。

■こどもの健康な食行動の形成
 今日の合衆国は飽食の社会です。私たちは、毎年毎年より多く食べるようになっています。1/3の大 人、こどもの1/5が肥満です。(20%以上のオーバーウェイト率) そして、この割合は毎年増加して います。

 44%の高校生女子がダイエットを行っています。これらの統計は、両親にとっては厳しいものです。食の 問題を解決することが絶望的と感じている場合が多いのです。食と栄養に対する健康的な態度を育てる ために多くのことができます。私たちはこどもに、食べ物は栄養として大切でありと同時に楽しいものであ ると考えてほしい。しかし、食は、愛や快適性の代替物として使ってほしくはありません。私たちはこどもた ちに、多くのものを食べることを学び、体の中の飢餓や充足について学んでほしいと思います。こどもたち の食に対する健康的な習慣と態度を支援するために、今日からできる7つの方法について学びたいと思い ます。

1 いっしょに食べる

 私たちはみな忙しくしています。私たちはしばしば立ったまま台所で食べたり、TVの前で食べたりします。 できるときは肉をつかんで食べます。こどもに健康的な食に対する態度を養うときに、おそらくもっとも大 切なことはおそらく単に座って、彼らといっしょに食べることだと思います。大人用の食事、子供用の食事 にするのではなく、こどもと同じ食べ物を食べ、同じものを飲みましょう。食べ物について話し合いましょう。 (どういう味がして、どういう匂いがするのか。産地はどこか、なぜ、それが私たちの体にいいのかなど)
食事の時間を、大切で、楽しいものにしましょう。栄養の補給という意味だけではなく、会話を楽しみ、笑い ましょう。食事の時間はあら捜しや批判から開放されるといいですね。

2 よいモデルとなる

 あなたのこどもの食習慣を詳細に検討する前に、あなた自身の食習慣をよく見つめましょう。あなたは、こ どもたちのモデルです。ですから、あなたは、自分自身のためにも、こどもたちのためにも食習慣を改善 する責任があります。

 朝食を食べる:この大切な習慣をあなたから学んだこどもたちは、学校でより集中力があり、より効果的に 学習をすることができます。

 野菜を食べる:ブロッコリーが嫌いだったブッシュ前大統領よりも、あなたは、あなたのこどもによいインパ クトを与えることができます。あなたが、野菜を食べ、楽しんでいるところをこどもに見せましょう。

 健康的なおやつを食べましょう:ポテトチップやキャンディーバーはやめて、こどもに食べてほしいおやつに 変えましょう。くだもの、ドライフルーツ、野菜スティック、低脂肪ヨーグルト、ポップコーンなど

3 健康な食べ物を与える

 こどもたちは、もし健康的な食べ物が手に入ればそれを食べることを学習するはずです。ですから、こども たちにたべてほしいものだけ家に置くようにしましょう。キャンディーやクッキーが、もし、カップボードに入っ てなければ、それらに誘惑されることはありません。フレッシュな果物をカウンターのボールにいつも置いて おきましょう。冷蔵庫には、セロリ、にんじんスティック、ラディッシュ、キュウリなどを洗って切っておきます。 おやつには低脂肪のクラッカーを使います。こどもたちは、キャンディーがないということをすぐに受け入れ ます。

 あなたの家の食べ物をコントロールすることは、大人にとってもよいことです。あなたが、ボール1杯 のアイスクリームを食べてしまうようなトラブルを抱えているのなら、家にそれを置かないことです。友達の 家や、レストランでそれを時折食べるようにします。家にチョコレートチップしかなければ、それから逃れる努 力をしなければなりません。そういったものを買わなければ、あなたは、ついでにお金も節約することができ ます。

4 食べ物を食べないことはタブー

 健康的な食べ物だけを与えるという理想には反するように聞こえるかもしれません。しかし、悪い食べ物を まったく排除してしまうのもよくありません。わたしたちは、こどもにくだらない食べ物を食べてほしくはない のですが、ときおりならば、そういう機会があってもいいのです。バースデイパーティや学校で、そういった ものを食べてみたいと思うことを認めましょう。彼らは、ファーストフードや、キャンディーバーや、ポテトチッ プスやソーダもまた、私たちがまれに食べる食べ物であることを学習するでしょう。彼らは、それらの食べ物が、 場合によっては、健康全体を考えると適切な食事として機能することもあります。それらの食べ物を食べるこ とによって、そのような、重要なレッスンを受けることができます。

5 こどもにどれだけ食べるか決めさせよう

 こどもたちが食べすぎなのか、食べたりないのかについて不安な親はたくさんいます。しかし、こどもたちの 食事量をコントロールしない親のほうが、こどもは自分で食事量をコントロールできるようになるという調査結 果がでています。

 あなたのこどもはあなたより小さい。より少ない量で十分なのです。(しかし、より、頻繁にたべる必要はあり ます。)こどもたちの食べ物の量は成長とともに変化します。そして、成長は加速したり減速したりします。あ る日は、ほとんど食べないように思え、あるときはそうでない。それ以上ほしいのかそうでないのかを子供自 身に決めさせます。

 おなかがすいているのか、いっぱいであるのかというからだの手がかりを認識するように彼らに教えます。こ れらの内的な手がかりは、彼らの人生で、食物の摂取量と体重を規則化させていく手助けとなるものです。

6 こどもに何を食べるか決めさせよう

 あなたは、こどもに何を食べるのかを決めさせますか?もし、彼らに食事内容を決めさせたら、彼らは、ハッピー な食事で生活するでしょう。もちろん、わたしたちはこどもたちにいろいろな食べ物をバランスよく摂取することが できるようになることを望んでいます。だから、偏食のこどもに自分で食べるものを選ばせるということは間違い であると。でも、これは果たして、真実なのでしょうか?

 多様な健康的な食べ物を提示することによって、例えば、プロテインソース、全粒小麦、野菜、くだもの、ミルク、 他のカルシウム、栄養価の高い食べ物、ヘルシーなおやつなどを提示することによって、もし、こどもが、 グリーンピースを選ばなかったとしても、バランスのとれた食べ物を与えるようにアレンジすることができます。

 こどもたちが食べものを食べるときにストレスを与えないようにすることができることが決定的に重要なのです。 秘訣は、こどもたちが選ぶことができる食べ物を注意深く選択することです。つまり、「ハッピーな食事」をオプ ションにしないことです。援助することはいいのですが、けっして強要してはいけないのです。
こどもたちが健康的な食べ物を自ら選べるように支援します。あなたのこどもが、スーパーマーケットで食べ物 を選ぶことを助けましょう。彼らに、バーニーやスーパーマンは全粒小麦パンが好きだったことを思い起こさせま す。

7 罰やごほうびに食べ物を使わない

 食べ物は食べ物です。栄養と楽しみの源泉なのです。こどもに「もし、泣くのを止めたらクッキーをあげるよ」 とか、「もし、学校へ行ったら、好きな夕飯をつくってあげるよ」ということがあります。これをすることによって、 食べ物が、食べ物であるということを超えて、罰や褒美にしてしまいます。この状態で、食べ物を与えると、お なかが空いたことやおなかがいっぱいになったことについての内的な情報を混乱させてしまいます。

 そして、そのことは、彼らがおなかが空いていないときに食べさせることや、空腹を満たすために食べることを 阻害します。クッキーがほしいからクッキーを与えるようにします。彼女がほしがるからほしい料理をつくるように します。アイスクリームをほしいからでかけるわけで、部屋を掃除したらほうびとしてアイスクリームを買いに出か けてもいいというようにしてはいけません。


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