アレルギーおやつ・調理実習

アレルギーおやつ・調理実習
保育所調理員のための調理実習「保育所給食用アレルギー対応おやつ」

２００１年１１月２８日、株式会社アドム管理栄養士佐橋由佳里の企画で、製菓研究家丸山奈美先生を招き「アレルギー対応の保育所おやつ」の調理実習が開催された。参加者は保育所調理員２０人。

近年、アレルギー疾患を持つ園児の入園が増え、保育所ではその園児の給食、おやつ作りへの対応に追わるようになっている。

アレルギーをひきおこす食材を取り除いた給食を除去食という。アレルギー反応を引き起こすこどもには除去食を与えるということが今のところ一般的な対応方法となっている。

しかし除去食にはアレルゲンの混入事故、豊かな食経験をさせられないという心理的なストレスを園児や保護者に与えるなど、解決しなければならない問題が少なくない。

アレルギーを起こすこどものために特別食をつくるという発想から、アレルギー症状のあるこどもも含め、すべてのこどもが食べられる料理が、アレルギーを起こさない料理だったという逆転の発想が望まれる。しかし、ことばでいうことはたやすくても、こうした料理をおいしくシンプルにつくることは難しい。アレルギー対応食に関する食材と調理方法の工夫が望まれるところである。

今回の調理実習では、製菓研究家である丸山奈美先生から、アレルギーを起こしにくい食品を使っておいしくて、簡単なおやつが紹介された。今回のメニューは、「にんじんのゼリー」「さつま芋のみたらし」「さつまいものようかん」「かぼちゃの茶巾」「りんごのクランブル」の５品。

アレルギー対応のおやつをおいしくつくることは特に難しいテーマである。そのため、参加者の保育所の調理員は参加前から大きな関心を寄せていたという。保育所のおやつであるため調理時間も短く、できあがるとさっそく試食に入った。

一部、納入業者の材料ミスで出来あがらなかったおやつがあったが、味と調理手順は確認することができた。どの料理も素朴な味付けで、アレルギー用のおやつとは思えないおいしさだった。参加した調理員からは、このおやつだったら全ての子供が喜ぶと手放しで賞賛する声があがるほどだった。

市販されているアレルギー用のおやつは、小麦粉や牛乳、卵を使っていないため、パサパサする、甘すぎるといった欠点がある。今回は手作りだからこそできる食品の素材の味を生かした、子供の嗜好にあったおやつであったといえる。

今回の実習でテーマになったおやつは日本の伝統的な食材、調理法を中心に組み立てたものだ。私たちが忘れかけている味が子どもにとって安全なおやつであると言う事やそれが簡単につくることができるおやつであったということを学ぶことができた意義は大きい。

＊保育園対象の給食料理教室を開催されたい方はアドムまでご連絡下さい。

材料名１人分作り方

人参ゼリー
にんじん
１００％ジュース
粉寒天
砂糖
水
８０ｇ
６０ｇ
０．４ｇ
４ｇ
１２ｇ
１）人参は皮をむき適当に切り、やわらかくゆでる。
２）鍋に粉寒天、水を入れてよくかき混ぜる。弱火にかけて沸騰してから１～２分したら砂糖を加えて火からおろす。
３）ゆでた人参にジュースを加えてミキサーにかける。
４）３の人参ジュースをボールにあけて、寒天液を少しずつ加えて混ぜる。
５）ぬらしたゼリー型に入れて冷やす。

さつまいものようかん
さつま芋
砂糖
水
粉寒天
６０ｇ
７ｇ
３０ｇ
０．４ｇ
１）さつま芋はゆでてマッシャーでつぶす。
２）鍋に水と粉寒天を入れてよく混ぜる。弱火にして煮たってから１～２分したら砂糖を加え混ぜて火を止める。
３）さつま芋の中に寒天液を少しずつ加え、その都度混ぜる。
４）ぬらした流し缶に入れて冷やす。
５）食べやすい大きさに切り分ける。

さつま芋のみたらし
さつま芋
タピオカ粉

しょうゆ
砂糖
水
タピオカ粉
５０ｇ
１０ｇ

６ｇ
７ｇ
２４ｇ
２ｇ
１）さつま芋はゆでてマッシャーでつぶす。
２）さつま芋にタピオカ粉を入れて混ぜる。まとまりにくい時は少量の水を入れる。
３）各１０ｇ程度に丸める。
４）熱湯でゆでる。
浮き上がってから２分間ゆでる。
５）あんの材料（しょうゆ、砂糖、水、タピオカ粉）を鍋に入れて弱火にかける。
とろりとしたら出来上がり。
６）団子にあんをからめる。

かぼちゃの茶巾
かぼちゃ
砂糖
干しぶどう
６０ｇ
６ｇ
４ｇ
１）かぼちゃは皮、種を取り、適当に切り蒸すかゆでる。
２）砂糖を加えて混ぜ、火にかけて水気をとばす。
ホクホクとしてきたら火からおろす。
３）湯につけて柔らかく戻したレーズンを加える。
４）ラップに少量ずつ取り、ひねって茶巾にする。

りんごのクランブル
りんご
砂糖
油
ひえ粉
砂糖
はちみつ
油
５０ｇ
２５ｇ
（少々）
１０ｇ
２．５ｇ
１．３ｇ
１．３ｇ
１）りんごを７～８㎜のいちょう切りにする。
２）フライパンに油を少々入れて、りんごを入れて砂糖をふりいれてきつね色になるまで焼き付ける。
３）クランブルをつくる。砂糖とはちみつを鍋に入れて弱火にかけて煮とかす。火からおろしてひえ粉と油を入れて混ぜる。粉チーズ状にする。
４）りんごをアルミカップに入れて、上からクランブルを散らす。２００℃のオーブンで２９分程度焼く。

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