給食に漬物を取り入れる

こんにちわ。子どもの食事研究所 所長の佐橋ゆかりです。

今日は漬物のお話です。

「漬物は塩辛くて子どもの食べ物ではない」と思われがちですが、

近年、給食で“漬物”が提供されるケースが増えています。

昨年の関東漬物協議会の報告では、

出荷数量は2.5%増、売上金額は3%増。

協議会の見方は、

学校給食で主食が“米”に替わり、

若者にもご飯をたべる習慣が定着してきているのでは!とのこと。

コンビニで買う食品が、

パンからおにぎりに替わるだけでも

梅干しの消費量アップにつながりますね。

 

■給食で漬物を提供

給食では意図的に“漬物”が取り入れられています。

目的は、、、、

厚生労働省の「保育所における食育実践例」としても取り上げられている「食文化との出会いを通しての食育」です。

・郷土料理に触れ、伝統的な日本特有の食事を体験する

・伝統的な食品加工に出会い、味う

など。

給食に漬物を取り入れて、“日本の伝統的な食品、発酵食品のおいしさ”を子どもに伝えたいということですね。

 

■漬物のおいしさ

漬物のおいしさの源は、

・食品の本来の味

・発酵過程で生まれた独特のうま味と香りです。

春夏で採れた野菜を秋冬まで腐らせず食べる方法を考えた先人の知恵!

長期間寝かせていたら乳酸菌が野菜の糖分を分解してうま味が倍増、やってみておいしくなることに気づいたんでしょうね。

梅干しの他に、発酵漬物であるたくあん漬けしば漬け、高菜漬け等、地域で採れた野菜を使った多種多様な漬物があります。

漬物は、大きく分けて種類は2つ

・塩分濃度が高い本漬け(古漬け)

・塩分濃度が低い調味液で漬けた浅漬け

日本の伝統的な食文化というと“本漬け”ということになりますが、

食育の観点から見ると、

浅漬けも子どもたちに食べさせたい食品ですね。

 

■漬物の安全性への疑問

安全性を考える上では

・本漬け

・浅漬け

を別に考える必要があります。

昔ながらの「本漬け(古漬け)」は、高い塩分と発酵(乳酸菌・酵母)などにより腐りにくく長期保存が可能です。

度々問題があるのは浅漬け。

平成24年8月に北海道でおきた白菜の浅漬けでは8名死亡しています。

(原因菌腸管出血性大腸菌O157)

この事件をうけて浅漬けの衛生管理強化のために「漬物の衛生規範」が改正されましたが、、、、

食中毒菌が付着した際に、死滅させるタイミングがなく菌が生き続け、増殖してしまう浅漬けは、給食で提供することは避けるべきでしょう。

給食では、大量調理マニュアルにのとって浅漬け(即席漬け)を手作りしています。

野菜と調味液を加熱し、合わせた後急速冷却器で冷やし2時間以内に提供。

給食の場合これを浅漬けとして提供していますね。

 

■給食での漬物の利用状況

食中毒と関連性が薄い本漬けであっても、

・給食で使用する・しない
・使用方法

が地域よって、又園ごとに異なります。

【加熱せずに使用しているケース1】

インターネットで“保育園 梅干し”と検索すると、約374,000件ヒットします。

保育園では

・梅の収穫
・梅干しづくり
・梅干しを給食で食べる

という食育が行われています。

子どもたちが目を輝かせながら梅干しを作っています。

炊きたての『ごはん』に、自分たちで作った『うめ干し』。

最高の給食ですね。

梅干しづくりのポイントは、何と言っても塩分濃度。これを守れば安全です。

梅干し以外でも、漬物が地域の特産品になっているような地域では、日常的に漬物を給食の1品として提供しています。

【加熱しているケース】

京都の学校給食では、発酵漬物の代表である京漬物「しば漬け」を、「加熱」して提供しています。

学校給食の「非加熱食品を提供しない」というルールにのっとり、しば漬けを細かく刻んで他の野菜と一緒にゆでて和え物にしています。

埼玉県では、県内産の漬物をチョーザや春巻きの具材として使っています。

加熱しても一度発酵した漬物の風味は充分に味わうことができますね。

 

■まとめ

日本の給食の歴史は、

明治22年山形県の忠愛小学校で、

「米、漬物、魚」を出したのがはじまりと言われています。

戦前の日本の給食の定番は「ごはん、漬物、魚」。

戦後はパン、スキムミルクに・・・

近年、和食が見直され給食の内容が和食になったことで、日本の伝統的な食品が給食にとりいれられるようになりました。

その一つが「漬物」。

塩分の問題はありますが、ごはんをおいしく食べる日本の食材のひとつとして、子どもたちに味わってもらいたいと思います。

最後にわんぱくランチの即席漬けを紹介します。

きゅうりと長芋のさっぱり漬け
きゅうり 20g
ながいも 20g
酢 3g
砂糖 1g
塩 0.3g
水 4g

1 きゅうりに味が染み込むよう、軽くたたいてから3cmの長さのスティック状に切り茹でる。
2 ながいもを1に合わせてスティック状に切り茹でる。
3 水と調味液を沸騰させてから冷まして1、2を加えて和える。
※提供時にザルで調味液をきって提供する

是非お試しください。