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アレルギー対応食はおいしくつくりたい


 平成14年3月30日(土)、名古屋市NFCCにおいて「Adm2002春期給食セミナー」が開催された。セミナーは午前中は給食マネジメントとアレルギー対応給食の実践報告とアレルギー対応おかしのパネルセッションだった。

 このセミナーの目玉はなんといっても安藤京子先生の企画・指導によるアレルギー食の調理実習。参加者はプロの栄養士と調理員ばかり。ほとんどがわんぱくランチユーザだったが、中にはわざわざ東京から訪れた一般の参加者もあった。


 

 今回挑戦するアレルギー対応食のメニューは「ガルバンゾー(ひよこ豆)のピラフ」「魚のロールキャベツ」「じゃが焼き」「アマランサスのケーキ」の4点。どちらかといえばアレルギー反応が広範囲の食品に出現するケースにも対応する料理となっている。

 魚のロールキャベツでは、白身魚としてかわはぎを使用した。白身魚はたいやヒラメ、養殖が多く、場合によっては抗生物質などが入っており、アレルギーにはよくない可能性がある。それでできるだけ天然のものを使いたい。今はかわはぎが旬であるため、かわはぎを使うことにした。本来ならば魚のあらを煮て酒を加えてだしをとるといいが集団給食ではなかなかそこまでは無理かもしれない。魚のすり身で卵白を加えてないものが市販製品で利用できるという。

 「キヌア」は雑穀で、アレルギー対応食ではよく使う調味料だ。ヒエ・アワは雑穀で有名だが、イネ科の植物である。お米にアレルギー反応がある子は、ヒエ・アワにも反応するかもしれないが、キヌアは違う種類なので「応用範囲の広い」食材だ。また、キヌアにはミネラル(鉄・カルシウム)が多く含まれている。アレルギーの子どもは鉄やカルシウムが不足しがちなのでこまめに補給する方法を考えるとよいが、キヌアはそういう目的で使用することもできる食材だ。

 安藤先生によると、小麦アレルギーのあるこどもにはじゃがやきの評判がいいという。アレルギーの子どもで食べたいものを聞くと、たこやき、おこのみ、やきそばなどが多いという反応が返ってくる。アレルギーのこどもが食べたがる料理について大人に聞くと、ケーキとかスパゲッティといった予想をする人が多いが、子どもにとっては生活場面で自分だけが制限を受けてしまう食べ物に対してやっぱり思い入れが強いのだろう。

 青のりは瀬戸内産など色のついていないものを使う。最近ではいいものが出回ってきているそうだ。ソースは有機野菜+リンゴ酢でできたものがいい。ソースによっては小麦や米が使ってあるため、注意が必要だからだ。

 料理ではテフロン加工のフライパンを使用するのがおすすめだ。鉄のフライパンはどうしても食品がこびりつきやすいので油を多く使うことになる。摂取する脂質が増えるとアレルギー反応が強くなる傾向がある。テフロン加工のフライパンなら油を少量使うだけで済むからだ。


 おかしはNASAの宇宙食として有名なアマランサスを使ったケーキが紹介された。アマランサスはビタミンミネラルが豊富な食材だ。水で溶いて焼くとベタっとする欠点があるが、でんぷんとアマランサスを1:1で使うなどの工夫で使いやすくなる。  特筆しておかなければならないのは、アマランサスのケーキでは重曹を使用することだ。ふくらし粉には何が入っているかわからないため、単純な重曹を使う。ほしぶどうやリンゴをすったジュースを入れると甘みを出すことができる。

 アレルギー料理ではつくる手間をなるべくはぶくために、冷凍保存することができるような材料を選ぶと便利だ。

(文責 加藤)

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